小飼弾の論弾 #315 「アメリカの暴走とイランの暴動で幕開けした2026年、中南米とグリーンランドはこれからどうなる?レアアースを巡る駆け引き」
「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2026年1月13日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年01月27日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-01-13配信のハイライト
- 「ベネズエラの重油」と「考えた戦略という誤解」
- 「お笑い南鳥島」と「キドカラーとレアアース」
- 「トランプ戦艦はボツ?」と「議会解散の仕組み」
- 「憲法の抜け穴」と「Metaの詐欺」「空っぽな台湾ならあげる」
- 「エンドユーザーに金を払わせる力のあるApple」
- 「イランで今一番不足している資源は?」と「マグロ漁船でNetflix」
「ベネズエラの重油」と「考えた戦略という誤解」
山路:明けましておめでとうございます。
小飼:明けましておめでとうございます。
山路:本年もどうぞよろしくお願いいたします。もう1月13日で正月の話するのも何なんですけど、正月休み、何してました?
小飼:えーとですね、例年になく寝正月でしたね。っていうのも、じつは去年度秋から長女も給与生活者になりまして、
山路:いよいよ社畜に。
小飼:そうです、そうです、社畜化しました。やっぱり社畜というか、社畜の休日というのはもうひたすら寝るという、
山路:1年目だときついですよね、特に。
小飼:連休何がいいかって言って、彼女曰く、たとえば3連休とかですね、月曜日が移動祝日日で休みになっているとかっていうのは、平日が4日しかないのかいっていう(笑)。
山路:週休3日が人類最低限の目標にしないといけないような気がするんですけどね。
小飼:その一方で次女はスキーリゾートに、何と言えばいいのかな、僕もよくわからないのですけれども、すごいゴージャスなところで働いていたみたいですけれども。
山路:ほうほう。正月はみんなダラダラと家で寝ていたという、
小飼:そうですね、
山路:弾さんは『刃牙』をまた読んだりとかみたいな感じですか(笑)、
小飼:あははは、
山路:それぐらいなんか頭使わないぐらいで休むのが正月休みいいのかも。
小飼:ただやっぱ物騒なニュースも多かったので、それに絡むものの調べ物とかっていうのもけっこうしてましたね。けっこういろんなことがわかりましたね、それで。
山路:その物騒なものっていうのは今回の番組にも関わるような話?
小飼:そうですね。例の、本物のbattleshipですとか、
山路:ほうほう、そのことはじゃあぜひ番組の、
小飼:ちょっとその中身とかね、
山路:まぁそうやって私のほうもちょっと旅行とかでぼんやりしてただけなんですけど、
小飼:じつはbattleshipよりも、アメリカの場合フリゲートのほうがヤバい。小さな船のほうがちょっとヤバい状況にあるという。
山路:そういうわけでさっそく入ろうとは思うんですけど、
小飼:どれから行く?
山路:そうですね、まずはメローニの言葉からいっておきましょうか。
小飼:そう、だから年末の挨拶で本当に「ご挨拶」でしたね。ああいうの大好きだ、
山路:「2025年はもうひどい年だと皆さん思われてるかもしれませんけど、安心してください、2026年はもっとひどい年になります」という(笑)。もうその通りでしたわと。世界、なんかこう、年明けからもう全速力じゃないですか、松が取れるまで待たんのか、みたいな、
小飼:もっと早くなる可能性がなきにしもあらず、なんで。まだこれで全速だと思っちゃいけないのかもしれない。
山路:メローニのように怖いことを(笑)。まずはとっ始めでやっぱり一番デカかったのこれじゃないですか?
小飼:じつはですね、この手のことに関してアメリカは前科だらけなんですね。懐かしいところですとパナマでやってます。当時はパパブッシュ政権でしたね。
山路:ノリエガ将軍でしたっけ?
小飼:そうです、
山路:なんかラノベでもそういうのあったような気がしますね(笑)、『NORIEが将軍』っていう、確か。
小飼:自国に連れ去って刑事犯として裁くっていうのは、これはっきり言って国際法違反というのか、もう国の自治というのをシカトしてるわけです。でも、その一方でべつに占領してるかではないわけです、その辺がロシアと違って、あくまでも特殊作戦なわけですよね。
山路:いちおうロジックとしてはアメリカに迷惑をかけている犯罪者を捕まえたぞっていう建付け、
小飼:そういう建付けにはしている。でも、カルテル・デ・ロス・ソレス(太陽のカルテル)、組織というのはないわけです、本当にweapons of mass destruction(大量破壊兵器)並みになかったわけです。今回もっとひどいのはベネズエラの石油を勝手に売っ払ってるんですよね。
山路:もうすでに?
小飼:売っ払って懐に入れることを正当化するための大統領令、もう出してるんですね。どういうことかっていうと、普通犯罪とかで差し押さえたものというのは勝手に処分できないわけですね。そう、だからまともな法治国家であれば。ただし戦地であれば、それを売って国庫に入れて、いろんなものに充当していいっていう法律もあるわけです。
山路:しかしそれ、すごい矛盾してないですか? つまり戦争じゃないって言ってるのに、その戦地で得たものを売っちゃって、
小飼:だから非常事態を宣言してるわけですよ。ただし、この非常事態というのは対テロ程度なんですよね。軽度なんですよね。全面戦争ではないわけです。だから、それをずっと引きずってるわけですけれども。
山路:さらに好き勝手できるように、
小飼:で、タンカーとかを拿捕してて、これはロシアに持っていくタンカーとかして言ってる写真もあるんですけど、でもよく見ると空荷なんですよね。なんで空荷ってわかるかっていうと、喫水線からずっと浮いてるわけです。もうギリギリ、タンカーとかは割とどれくらい荷物が積まれているのかっていうのは見ればわかるんですよね。浮いちゃうんです、空荷だと。
山路:空荷のタンカーを拿捕したってこと?
小飼:そう、それは要は石油を密輸してるという言い方をして。ここまで堂々と泥棒してるというのは珍しいです。ロシア以下ですね。
山路:すごいな(笑)、えー、そんなことまでやっとったんですね。で、
「Altmanのせいで個人用PCの値段がやばい」(コメント)
小飼:これも、もしかしたら止まるかもしれないというニュースも(笑)。
山路:そうですか(笑)。で、ベネズエラなんですけど。今後トランプなんかはいろいろ長期化するとは言ってるんだけども、こんなのってベネズエラの石油利権みたいなものって正当な権利なく、そんなにアメリカが自由にできるものなの?
小飼:それはできない。それはトランプが勝手にできると言い張ってるだけで。今回の顛末というのは議会にも報告を入れてないんですね。the Executive Branchが勝手に、要するに行政が勝手にやったものです。
山路:それってもうすでに憲法違反ですよね、
小飼:ですよ、立派な。
山路:堂々たる憲法違反ですよね。
小飼:だからそこが割と、アメリカはいろんなところに攻め入っては、そこにあるものを勝手に処分してきたという歴史はあるわけですよね。近年だとイラクですとかね。
山路:でも議会の承認は得てたわけだ。
小飼:そうです、今からやりますよっていうのは言って。パパブッシュの頃というのは、パナマは黙ってやったんですけれども、湾岸戦争の時には多国籍軍を構成してやったじゃないですか、だから世界に対して今からこうします、我が国はこうしますっていうのを言ってからやってるわけですよね。
山路:それを大統領の思いつきで、
小飼:そうです、勝手にやっては勝手にそれをTwitterで、Twitter以外にもTruth socialとかあるので、SNSで誇ってるわけですよね。一つすごい気になる「誇り方」がありまして、This is our hemisphereっていう、
山路:これは私らの半球であると、
小飼:具体的には南北アメリカを含む半球で、グリーンランドも入ってるわけですね。だからグリーンランドもよこせっていうふうに言ってるわけですね。
小飼:カナダもアメリカの州にするとかって言ってるのも、その文脈なんですよ。本当にトランプの頭の中の世界地図っていうの、バカ世界地図っていうのがありますけど、ほんとそうなんですよね、ああいいところに(地球儀を手に取りながら)で、これですね、This is hemisphere. That’s why he said it’s his.で、とりあえず僕の視界の裏だから、この辺にベネズエラがあって、次はキューバとかグリーンランドとか言ってるわけですよね。
山路:トランプって南北戦争も、北アメリカと南アメリカの戦争とか思ってそうですよね(笑)、
小飼:いやそう思ってんじゃない?
「今から石油に投資するのどうなの?」(コメント)
小飼:いや、バカです。ましてや、ベネズエラの石油っていうのはすごい質が低いんですよ。
山路:地上に出た途端に固まるという話を聞きましたが。
小飼:いやー、だから本当に重油とアスファルトなんですよね。重油もいちおうランク付けがあってABCというふうにあって、アルファベットが上のほうが軽いわけです。で、Aとかはまぁ普通に常温で液体で、もうそのままディーゼルエンジンに入れられるんですけど、重いやつというのはまず燃料にする前に、エンジンにくべる前に温めて液体にしなければいけない。なんですけども、そういったものなので、安いわけです。安いので、大きな商船は一番重たいC重油を燃料にできるようにしてます。ただ、重たいで温めないと使えないっていう以外にも、もう一つ困った欠点がありまして、それは何かっていうと炭化水素だけではないんですよ、純粋な炭化水素だけだったらいいんですけども、けっこう硫黄を含んでるんですね。なので、燃やすと亜硫酸ガスが出るわけですね。
山路:環境負荷が高い。
小飼:火力発電でも、炭化水素、重たい炭化水素ですね、重油ですとか、あるいは石炭ですとかっていうのを燃やした時には当然亜硫酸ガスが出るんですけれども、最近の火力発電所っていうのはそれ、大気に出さないんですよね。スクラブラーという装置がついていて、そこでもう全部取り除いちゃうわけです。でも、船というのはそこまで広くはないので、そのまま垂れ流しにしてたんですけれども、最近厳しくなりだして、大きな船とかだとスクラブラーをつけたりですとか、あるいはもう少し小さいやつだとかだと燃料を変える、LNGとか、あるいは灯油というのか、軽いディーゼル燃料ですね、硫黄とかを取り除いた、
山路:そんなベネズエラの石油って、簡単にアメリカの石油メジャーとかが入ってちょちょいってやったら利益にできるようなもんではぜんぜんなさそう、
小飼:ぜんぜんない、
山路:エクソンのCEOがかなりネガティブな、これ不可能だぜみたいなと言ったら、もうお前はその石油利権に入れたらん、みたいなことをトランプが。
小飼:じつはですね、アメリカの原油というのは特にメキシコ湾のまわりで取れるやつっていうのがすごい軽くて、質がいいんですね。ルイジアナスイートという言い方もします。スイートって言い方をしますね、軽い炭化水素の分子量が小さいやつを多く含んでるやつというのは。そういう質がいいのがいっぱいあったんですけれども、それでも中東の石油を輸入してたというのは、温存しておきたいっていうのもあったんですよね。だから、外が買えるうちは買えっていうのをずっとやってきたんですよ。で、中東のやつというのは重いんですよね。でも、使えるといえば使えるので。
山路:ちなみにそういうアメリカ国内の頁岩から取るシェールオイルなんかはどうなんですか?
小飼:シェールはいろいろあるんですけども、割と軽めですね。
山路:じゃあアメリカの今の精油の仕組みっては基本的に割と軽めのでやるように、石油、
小飼:ただテキサスにあるやつとかっていうのは昔はいっぱい中東から、より重い原油を輸入してたわけですじゃないですか。それを精製できる設備というのもあって、それだとベネズエラのいいほうの、マシなほうの原油はプロセスできるということで。
山路:しかしベネズエラはそんなに石油の質良くないんだったら、でも中国はベネズエラの石油のことに関していろいろ結ぼうとしてたりとかしてたわけですよね、中国はそういう質の悪いやつでもとにかく押さえときたかったってことなんですか?
小飼:そういうこと。まぁでも石油が欲しいからというのは二次的なものですよね。アメリカにフットプリントが欲しかったっていうのはありますよね。だから、そう言ってる間にもペルーに世界最大級の貿易港、港を作ってますからね。あっさりちゃっかり。日本ではそのままでは使えない全長400mのコンテナ船とかも横付けできるような港を作ってますからね。それを大西洋岸でもできたら、それはいいに越したことはなくて。その意味ではベネズエラっていいターゲットだったんですけれども。
山路:これ、しかし、アメリカが中国のパワーを押し返そうとしたっていう見方もできるのでは?
小飼:そういうふうに見てる人もいるでしょう。でもですね、今のオーバルオフィスの主というのは、そんなに深く考えてないんです。だから、あのね、皆さんの一番の誤解というのは、僕も含めた誤解というのは、そういうきちっと戦略を考えた上でやってるわけではないんですよ。だから根底にThis is our hemisphere.があるわけですよ。
山路:もっと幼児的衝動みたいな感じなわけだ、
小飼:そうです、はい。いや、Argentina(アルゼンチン)の経済政策も結局早くも馬脚が出てて、倒れかけたのを、要はデフォルトを起こさせる代わりにアメリカのほうが債権をライトオフしたんですよね、ベールアウトしたんですよね。だから、それもだいぶアメリカ国内でも非難が出ましたけれども。要するにour hemisphereなので。
山路:いちおう友達だから助けて、
小飼:友達じゃない、
山路:友達というか、
小飼:部下というか、舎弟なわけです、
山路:舎弟ね、はいはい。餌をあげたわけなんですね。それで、
小飼:餌をあげたというよりも、尻を拭ったんですよね。
山路:それがベネズエラだけではなく、さらにはグリーンランドに関しても。
小飼:そうです、
山路:これもour hemisphereだからという、
小飼:そうです。そういうことです。5歳児くらいにならないと。だから5歳児になってください。今のアメリカのドクトリンを読み取るっていうのは。細かいことを考えるのは取り巻きの連中なので。アメリカの軍事作戦はすごいです、やっぱりUS Armed Forcesっていうのはすごいですよ。あんな作戦ができるのはアメリカだけです。でも、根底にはThis is our hemisphere.なんですよ。
山路:これ、グリーンランドのほうとか絶対に必要みたいなこととかを、
小飼:だからアライアンスで、グリーンランドでアメリカがやるべきことというのは全部できてたんですよ、冷戦時代はもっとアメリカ人がいたんですね、もっといろんなところに米軍基地がディプロイされてたんですけれども。今はもう一か所だけになってるんです、冷戦終わっちゃったから。
山路:しかもそのデンマークとの関係で言えば、そんなのって基地まであるわけだから、何にも、今のままで良かったんじゃないかと思うんだけど、
小飼:そう、アライアンスで十分で、アメリカとソ連の一番の違いっていうのはソ連はoccupationだったんですよ、
山路:占領、
小飼:そう、アメリカは同盟だったわけですね。alliesだったんですよね、ワルシャワ条約機構って言ってますけれども、実際は属国だったわけじゃないですか、東ドイツもポーランドもチェコスロバキアもハンガリーも、全部under occupationだったんですよ、形だけだったんですよね、国の独立性というのは。いちおう国連では一票あるけれども。
山路:そういう旧東の、東欧の国ってめちゃめちゃロシア嫌ってますもんね。
小飼:に対して、NATOというのは本当にアライアンスだったわけです。それでもアメリカの影響が大きすぎるということで、一時フランスはそこにも入ってなかったです。NATOにすら入らずに物事を独立性を保とうとしてたわけですね、フランスは。でも、それでもアライアンスのほうが、アライアンスでいいじゃんっていうことで今はもうNATOの中心的なメンバーですけれども。あくまでも同盟で済ませてたんですよ。すごい違いなんですよ、これは。
小飼弾の論弾 #314 「スマホ新法の影響は?トランプの制裁に協力するビッグテック、表に出てきた核保有論、日銀の利上げでも進む円安」
「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2025年12月23日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年01月13日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025-12-23配信のハイライト
- 「両者とも頑張った」スマホ新法
- 「ハンコで半導体回路」と「トランプ級戦艦の実現可能性」
- 「ジェットエンジンをデータセンターに」と「タービンブレード1枚いくら?」
- 視聴者質問「書籍市場で電子版の割合が低い」と「利上げと円安」
- 「核保有論の意図」と「H3失敗、2段目には2段目の難しさ」
- 「がんを100パー治す腸内細菌」と視聴者質問「幸福の最大化と自由度の最大化」
「両者とも頑張った」スマホ新法
山路:最初、軽い話題からいこうと思うんですけど。“Twitter”が復活するというニュースなんですが(笑)。
小飼:この場合はX.comがTwitterを継いだ、ではなくてTwitterという名前のウェブサービスが再び出来上がるという意味ですよね。
山路:Xが所有しているTwitterの商標権っていうのが使ってねえんだったら、もうそれ無効じゃねえの、みたいな話なわけですよね。弾さん、ちなみにTwitter.new登録しました?
小飼:登録しました。いや、もちろんそれは、
山路:そうですか(笑)、海のもんとも山のもんともつかないSNS、
小飼:とりあえずネームスペースを取ったというね。
山路:これってまだ、今の状況ではぜんぜん情報も出てないから何とも言えないんですけども、
小飼:ベーパーウェアかもしれないしね、
山路:ああ、とりあえずそういう話題作りして資金を集めようみたいな。
小飼:そうそうそう。
山路:こんなんされて、イーロン・マスクとか黙ってたりするのかな?
小飼:まぁ現段階では特に、今の元TwitterのあのX.comのobstacle(障害)にはならないという。
山路:もうだいぶ規模も違いますしね。結局SNSって、もうユーザーベース、既存のユーザーベースからなかなか移らねえっていうのはThreadsを見ても、mixi2を見ても。私はmixi2、一切触ってないですからね。
小飼:まったくだ。だれだよ、dankogaiとったのは。
山路:あっ、mixi2で(笑)?
小飼:怒らないから、名乗り出て。
山路:いや、怒る気満々じゃないですか(笑)。怖い、怖い。じゃあちょっとそのタイトルにもあったスマホ新法の話、先いっておきましょうかね。けっこうこれって、これは日本の政権がうまく交渉したっていう例になるんですかね? スマホ新法。
小飼:どうなんだろうね。
山路:最初に出てきたスマホ新法の案だと無制限にサイドローディング、要はAppleの公式に認めるんじゃないストアみたいなものも自由に作れるようにして、アプリとかも自由にインストールさせようみたいな、わりととんでもないようなことを言ってたんだけれども、けっこうなんというのか、
小飼:実装のところで政権とAppleのほうで交渉があったみたいで。
山路:うんうん、で、なんというのか割とどっちもメンツを立てられるぐらいのところに落ち着いたみたいなというのか、
小飼:落ち着けたというのか。
山路:政権のほうとしてはつまりAppleとかGoogleに販売手数料をちょっと割引かせたというか、値下げさせて、いちおうこう別のストアも条件付きだけども認めるみたいな形にして。
小飼:そこで本当に落ち着いてるのかねっていうのはあるけれども、なるべく大騒ぎにならないように、両者とも頑張ったっていうのは、それは事実ではあると思う。
山路:今回、本当にAppleが相当一般の消費者相手に広告というか、だいぶメッセージとか出しましたよね。
小飼:そうね。
山路:あんまりそういうことしないイメージあったんですけども、そういう政策に関してかなり意見という、広告は出さなかったかもしれないけども、かなりメッセージは出してましたけどもね。これはだいぶ日本もデジタル企業との付き合い方がわかってきた?
小飼:わかってきた、ではないですね。Appleから見れば、率直に言って余計なことしやがって、なんで。それ以外の何ものでもないんで。
山路:今回のiOS 26.2の変更で、使ってみました? Kindleのアプリから外部のリンク、
小飼:しまった、それが一番影響があるやつなのに、しまった。わかりました。iPadで確認します。僕はその手のことは主にiPadでやってて。しまった、気づかんかった。
山路:それはちょっと便利かな、ただ、それも、そのやつも完璧じゃないみたいですけど。これまでは、お勧めのところではサンプルをダウンロードする仕様になってましたが(外部リンクに飛んで書籍を購入できるようになった)。
小飼:相変わらずまぁいつものこと、やっぱり怖いよな。なんか新しいことを試すと、アカウントがぶっ壊れるという恐怖心が、KindleというのかAmazonアカウント。ものすごいフラジャイルなんですよね。
山路:とくに私、かなり早い段階でKindle使ったんですよ、日本でまだKindleがやってないときにAmazon.comでアカウント作って、Kindleの、
小飼:そうね、Kindleのハードウェアがガンガルだった頃だよね、
山路:ガンガルでしたっけ(笑)、
小飼:モビルフォースガンガルだった頃だよね。ものすごいなんか、こんな醜いハードウェア、ありえんだろうっていう、
山路:それは私まだ買ってないんですけどね、そのガンガルだった時のやつという、
小飼:ああ、そうか、アカウントを入手しただけ、
山路:アメリカの、要はそのKindleのストアが始まった時にアカウントを作って。
小飼:なるほど。
山路:その時にアカウントを作った人っていうのは、Amazon.co.jpでサービスが始まった時に、アカウントを紐付けできたんですよね。ただ、1回紐付けすると、それが後々の、
小飼:そうそう、その手の話。僕、両方持ってるよ、.comも.co.jpも、両方持ってるよ、じつは。で、紐付けしてない。
山路:ああ、それが一番結局賢かったかもしれない(笑)。
小飼:なんか、パイオニアの皆さんの話を聞いて、これはよねインテグレートしちゃいけないよなって。
山路:なんかね、たぶんAmazonの人も検証しきれてないようなバグの原因になってるっぽいんですよね、いまだに。
小飼:検証したところで儲かるわけでもないし。ただ、ほったらかしにすると穴が開くかもしれない。
山路:とりあえずAmazon.comのアカウントを削除すると、Amazon.co.jpで買った本も見られなくなるみたいな、そういうこととか、
小飼:そうそう、そういうホラーストーリーズをいっぱい聞いたんだよ。
「楽天Koboのほうがサービスが早かったよ」(コメント)
山路:ほうほう、そうでしたか。Koboのほうが早かったっけ、日本ではそうだったかもしれないな。なんかコメントで、
「今日は弾さんが怒るポイントが多そうだな」(コメント)
小飼:ハハハ、いや、でも楽天は楽天で、いまだに2FAがまともに実装されてないでしょ。
山路:2要素認証、
小飼:そうそうそう、そういうところだよ。
山路:楽天証券は、パスキーに対応したんですけどね。
小飼:うん。あのね、楽天も、楽天がつくので証券と銀行と、普通のwebコマースのサービスとクレジットカードと、全部あるんだけれども、微妙に認証メソッド違うんだよね。
山路:たぶん、ぜんぜん別だったサービスのやつの統合ってのが、
小飼:それそれそれ、
山路:やりきれてないという、よくあるやつ。
小飼:よくあるジャパンネット銀行がPayPayになるみたいに。
山路:まぁPayPay銀行の場合は名前が変わっただけですけど(笑)。楽天の場合は、ぜんぜん由来の違うサービス、
小飼:いや、振り込む時にPayPay銀行にPayPayする、
山路:恥ずかしめを与える、なんともたまらない姿勢がなんとかしてもらいたいですけどもね。ちょっと、
小飼:だから振り込み先の指定だけでも、ジャパンネット銀行復活して、
山路:本当にそれはそう思う(笑)、
小飼:PayPayはないわ、PayPayは。
山路:向こうでチャリンと鳴ってそうですもんね。
小飼:いや、鳴るんだよ。
山路:振り込み? いや、それは嘘でしょ(笑)。
小飼:いや、本当だよ。本当だよ。これでやったよ。
山路:え、銀行の振り込みが鳴る? いや、そんなもないでしょ。
小飼:PayPay銀行への支払いは、PayPayアカウントでできるんだって。
山路:へえ、そうなんだ。
小飼:あえてPayPayでやったところ、やっぱりペイペイ鳴ったよ。このアプリでPayPayすると、必ずペイペイするんだって。ペイペイ鳴るっていう。
山路:私、法人アカウントだから、法人口座だから、より恥ずかしいです。
小飼:そうなんですよ。
「ハンコで半導体回路」と「トランプ級戦艦の実現可能性」
山路:いやいや。勘弁してもらいたいですけどね。じゃあ、IT絡みでもう一つ。これ意外に地味だけども、地味というか、でかいと思うのが大日本印刷、DNPが発表したテンプレートということなんですけれども。これは何でしょうかと。
小飼:昔からけっこうIT絡みの、そう、仕事はしてきたDNP、大日本印刷なんですけれども、主張するに、レーザーで鋳型をいちいち作らなくても、いったんレーザーで作った鋳型をポンと半導体基板に押せば、回路ができるんじゃね? っていう主張です。
山路:そんな簡単な、
小飼:簡単なものをさらに簡単にしてるんですよ。
山路:しかも10nmとかのレベルの細かさなわけじゃないですか。
小飼:そうですね。
山路:それでハンコができるんだというのが。
小飼:ハンコでできるという。
山路:これ本当に実用的に作れるんだったら、めっちゃすごくないですか?
小飼:すごいことになりますね。
山路:そういう半導体の細かい回路作るのってEUV、超紫外線だっけ(※極端紫外線の間違い)、それで回路、
小飼:ただ原理としては写真乾板なんですよね。どれだけ細かくできるのかというのは写真乾板に焼き付ける時の光の波長で決まるわけです。それがものすごい短波長のほうに偏らせているというのか、ほとんどそれなのがEUVなんです。
山路:めちゃめちゃ高いですよね。
小飼:その通りです。あまりに短波長なので、もう無理だろうっていうので、だからいろんな企業が他のメソッドも試してはいるんですよ。たとえば電子線でやったらどうだろう、要するに電子顕微鏡、逆電子顕微鏡みたいなもんですよね。なんだけれども、量産レベルにぜんぜん到達しませんでした。
山路:それをハンコでやっちゃったっていう。すごい低コストで半導体が作れるかもしれないってことですよね。
小飼:十分の一って言ってましたね(笑)。でもそういうレベルでのブレイクスルーが起こるのがこの世界なんですよ。
山路:やっぱりこAI半導体とかAI需要とかで半導体需要が盛り上がってるからこそ、こういう技術開発なんかにも熱が入ったっていうのはあるんですかね?
小飼:どうなんでしょうね、最近になってやっと浮上してきたところはありますよね。昔からいろいろやってましたよ。そういうエレクトリクスに関することは、DNPは。紙に印刷しているだけの会社ではぜんぜんないです。
山路:ラピダスなんかがまさに今挑んでるじゃないですか。先端半導体。そこのところ、DNPもこういう技術を使って協力するわけですよね?
小飼:そこはわかんない。TSMCもラピダスも、その当時に得られるベストな技術、テクノロジーを導入しているというのは、そこは間違いないところなので。ちなみに最近はIntelも再びそれをやるんじゃないかという候補にまた上がってきています。要は他社からチップのファンダリーとして活動するっていうことです。
山路:ずいぶんアメリカ政府から金もつぎ込まれるみたいな話もありましたしね(笑)。
小飼:10パーセント、USAなんですよね。
山路:どんどん国有企業っぽくなってきますよね、どの国の半導体事業というのも。
小飼:TSMCは中華民国がべつに所有してるわけではないはずだけど、ちょっと後で調べます。じつはこっそり蔣一族に、蔣経国の一族に所有されてたりするのかな?
山路:なるほどね、
「今日コメント少ないね、年末だから」(コメント)
小飼:っていう、そうそうそう、言いたいこと言ってくださいね、皆さん。
山路:それで弾さんが怒るかもしれないけれども、遠慮なく(笑)。IT絡みでちょっとこののけぞるというか、びっくりしたニュースでもう一つ。北朝鮮絡みのニュースなんですが。
小飼:北朝鮮絡み。ああ、
山路:これすごくないですかっていう。
小飼:でも、あれはなるほどだったよね。110ナノメーターって、ナノセカンド。ごめんなさい、ミリセカンドですね。すごい、わずかな時間に思えますけれども、100分の11秒ですよ。
山路:これ、あるアメリカの企業にリモートワークで働いてた従業員、その従業員からの反応っていうのが何か調べてみると110ミリセカンド、タイムラグがある。
小飼:だいたいそれくらいになりますね、太平洋を渡ると。僕もシアトルで、厳密な位置はちょっとNDA的に言うとまずいと思うんですけれども、まあまあとにかく110ミリセカンド離れたところのサーバを直したことはあります。この遅延はもう、光の速度に由来するものなので、避けようがないです、これは。
山路:この北朝鮮の工作員が侵入しようとして潜んでたっていうのはAmazonだったらしいんですよね。それをしかも人が気づいたとかっていうんじゃなくて、そういうふうに不自然なタイムラグのある、なんていうのかな、従業員とのやり取りみたいなことを自動でチェックするような仕組みを入れたみたいですね。
小飼:なるほどなぁ、それはAmazonの中の人、グッジョブです。
山路:なかなかすごい話だなと、ここまで来てんだなっていうのは。
小飼:すごい話ではあるけれども、まあ、ですよねーという。
山路:それぐらいやってるだろと、Amazonならば。
小飼:お互いにやってるかもしれないね。
山路:あーなるほどね。まさに情報戦がね。今。
小飼:(コメントを見ながら)今来たさんがいらっしゃいます。
山路:これもマジかよと思ったニュースいっておきましょうか。これ本当にマジなんですかっていう(笑)。トランプがトランプ級戦艦を建造すると発表したっていうニュースなんですよね。このニュースっていうのが、このトランプ級戦艦っていうのが、なんかいろいろすごいんですよね。この指向性エネルギーレーザーとか、人工知能を搭載し、
小飼:ぜんぜんスペックが上がってないでしょ。
山路:極超音速ミサイルを搭載しとか(笑)、いろいろ書いてあるんだけど。これってマジなんですか?
小飼:それはトランプがほざいただけですね、今のところは。これすごい大事なところなので皆さん押さえてほしいんですけれども、どんな軍艦に限らず、どんな兵器をどれだけ買うのかっていうのを決めてるのは誰でしょう? 米国政府の場合。クイズです。
「軍隊?」(コメント)
山路:ってコメントが、
小飼:そう、いや、だから軍隊に使ってもらうためのだから兵装というのは当然買ってもらうわけですけども。買うのは誰かっていうのはわかりますよね。じゃあ何をいくら買うのかっていうのを決めてるのは誰でしょう?
「国防省」(コメント)
山路:ってコメントが。でも、その前段階がいるってことですよね。
小飼:そういうことです。
「議会」(コメント)
山路:って出てますね。
小飼:はい、やっと正解が出ました。18番が正解です。そうなんです。コングレスなんです。
山路:下院上院とまあ、それで承認されなければ。
小飼:そうです。それで数多のハイテク兵器というのがダメ出しされたわけです。
小飼弾の論弾 #313 「暗黒物質が見えたかも? OpenAIとGoogleのガチAIバトル、サンフランシスコ講和条約は無効?」
「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。
今回は、2025年12月09日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2025年12月23日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025/12/09配信のハイライト
- 「Netflixのワーナー買収とスポーツ」と「土地のコンマ1パーぐらいはゴルフ場」
- 「ランサムウェアとOS、ブラウザの穴」
- 「ここでGoogleの独り勝ちはヤバい」と「大家よりも偉い店子TSMC」
- 「軽自動車の規格が世界に?」と「トルコはダークホース」
- 「対等な敵と戦ったことがないアメリカ」と「日本のインテリジェンス」
- ダークマターは比較的新しい概念
「Netflixのワーナー買収とスポーツ」と「土地のコンマ1パーぐらいはゴルフ場」
山路:前回、30分以上遅れて始まって、
小飼:すみません、こちらの、
山路:あとでナオヤさんが原因を調べたところ、部屋自体の電気系統がダメになってたそうで、
小飼:ローカルな問題だった。たいていニコニコが悪いはずなんだけど、そうではなかったと。
山路:機材ではなく、この部屋自体の電気系統がいかれていたという、たしかに不運でしたなということで、ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。
小飼:あらためて。
山路:じゃあ早速行こうかと思うんですが、ちょっと前に入ってきたニュースでNetflixがワーナーのストリーミング配信部門とかそういうのを買収したよと、最終契約も結んだよということを発表してまして。
小飼:契約段階だと、まだその後にお上の、政府のapprovalがあって、そこで蹴られちゃうことがあるので、独禁法とかね。
山路:で、とりあえずこれ、どういううふうな、その買収が成立した場合でいうと、これってでかい話なんですかね、やっぱり?
小飼:でも、配信のマジョリティーを占めるかというと、これでもまだ占めてないでしょ。金額は大きいんだけど、配信に占める割合っていう点では、ディズニーの配信買ったとかっていうほうがでかいというのは、そもそもパラマウントって配信チャンネル、配信インフラを持ってた?
山路:パラマウントというかワーナーですよね、
小飼:ごめんごめん、パラマウントはあれだ、
山路:競合相手、ワーナーはHBO Maxですね。
小飼:ああ、そうかそうか、
山路:日本だとHBO MaxのコンテンツはU-NEXTがけっこう配信してたりする、
小飼:やってますね。
山路:それなんかもけっこう、全部こう『スーパーマン』とか『バットマン』とかのDCブランドとか『ゲーム・オブ・スローンズ』でしたっけ、そのへんが、
小飼:HBOはかなり伝統があります、世間がインターネットって言ってる前から自前コンテンツをやってます、
山路:ケーブルテレビ時代からっていうことですね、
小飼:その通りです、すごい伝統はあります。
山路:じゃあ本当に、それこそそれこそまだケーブルテレビユーザーをこれでごっそりみたいなことにもなったりする? かなり移行は進んでる?
小飼:とはいっても、例えばナショジオとかディズニーが持ってったし(笑)、結構あれなんだよね、他がかっさらってるのもあるんだよね、Amazonプライムとか。だけども、そうか、ワーナーか、HBOは、それは、日本から見るとちょっとわかんないけど、
山路:HBO Max自体は、直接のサービスをやってないですもんね、日本では。
小飼:HBOはでかい。その意味では。伝統的にたんに配信用プラットフォーム、HBO時代はケーブルだったわけですけれども、その上に載せるコンテンツも自分たちで作ってたっていうのではすごい伝統がある、Netflixも伝統があります。
山路:このタイミングででかい、11兆円、それなりの金額じゃないですか、
小飼:驚かなくなっちゃったねえ〜、
山路:まあね(笑)、一昔ではビビる金額ではあるじゃないですか、
小飼:でもさ、ワーナーといえば、
山路:AOL(笑)、
小飼:AOLの傘下に入ってたこともあって。AOLタイム・ワーナーがそれで出した損失額もそれぐらいだったね(笑)、
山路:はっはっは、
小飼:当時は大騒ぎになったんだけどね。
山路:あの急落ぶりは笑いましたね。
小飼:うん。
山路:笑っちゃいけないんだろうけど。AOLとかどこいったんだみたいな話ですけどね、
小飼:You’ve Got Mailっていうやつだけ覚えてる(笑)、
山路:ダイヤルアップ接続、
小飼:その通りです、
山路:中止したそうですけどね、もう。
小飼:その通りです、かつては使ってましたよ。本当にどこにも、ダイヤル口があったので。
山路:このNetflixの買収のやつ、競合相手、さっきちょっと出たパラマウントなんかが物言いをつけて、
小飼:うちはもっと、16億っていうのが出てはいたけど、
山路:さらにさらに、ラリー・エリソンっているじゃないですか、Oracleの、弾さんの嫌いな、
小飼:あはははは、
山路:その息子が今、パラマウントなんでしたっけ?
小飼:そうなのか。
山路:とにかくそこのところが競合として出てきて、
小飼:(コメントを見ながら)YouTubeこそ談合に入らないでしょ、だってGoogleだもん、GoogleというのかAlphabetだもん。ただやっぱり少し気になるのがあって、僕はYouTubeのサブスクリプションというのか、なんだったっけ?
山路:YouTubeプレミアム?
小飼:の会員で、そのおかげで広告なしで見放題なんですけども、最近けっこう昔の映画を流すようになったんだったんだよね。
山路:YouTubeで?
小飼:YouTubeで、
山路:プレミアム入ってるのに全然気づいてなかった、
小飼:サジェストのほうに入ってくるんだよ。けっこう昔のドキュメンタリーとか、それで見ちゃたりするだけども。これってコンテンツに手を出してるってこと、という。
山路:このパラマウントなんかがまたラリー・エリソンの絡みで、トランプの影響が強いという、エリソン一族。で、トランプがこの買収を認めないかもしれないっていうのが今はニュースの話題になってる。
小飼:トランプはあまり関係ない、
山路:え、そうなの?
小飼:だから、それで物言いを出すのはFCCとかだから。そういう買収とかがエグゼクティブオーダーで止められるということはまずない。
山路:ほー。
小飼:そりゃそうだよ。
山路:だけど、何らかの圧力をかけるっていうのがトランプのやり方じゃないですか。
小飼:そりゃ可能。
山路:少なくとも表に出てくるものはFCCが認可をしなかったみたいな形になるってこと。
小飼:そういうこと。
山路:これって認可を下りないってことってあると思います?
小飼:わかんない。
山路:けっこうそれはもう本当に胸先三寸というか。
小飼:いや、比率で見ると、要するにコンテンツをどれだけ支配してるかっていう比率で見ると、日本円で11兆円のディールというのもそんな大きくない。だから、独禁法では止められないよね。道義的に止める理由っていうのもあるの? ただ昔であれば、無料で流れていたコンテンツが、要はディストリビューター、配信者に買われちゃって有料化される、有料化されたおかげで要は入口がなくなっちゃって廃れちゃったっていうことはいろんなところで起きてて。日本で最近それでホットなのは、要はワールドベースボールクラシック、WBCを見るためにはNetflixに入らないとダメだよっていうやつですね。前は地上波で流していたっていうね。
山路:野球ファンからはかなりブーイングが出てるっていう話ですけど。
小飼:そういう状態が続くと、そこに入るきっかけっていうのがなくなって衰退するんじゃないかと。実際にゴルフとかはそれでずいぶん衰退したの。僕ゴルフ大っ嫌いなのでザマミロなんですけど。
山路:いろいろ嫌いなスポーツあるな(笑)。
小飼:ザマミロなんですけれど。野球はそこまで嫌いではない。わりと統計フェチっていうところもあるんだけど。
山路:しかし、それで言うんだったら、サッカーって地上波放送、なんかほとんどなくなりましたけど、人気じゃないですか。
小飼:でもワールドサッカー、フットボールは流すの。
山路:なるほどね。
小飼:FIFAも流せって言ってますし。それで私有化する圧力っていうのは全部FIFAが弾いてるわけ。
山路:WBC主催してるのはメジャーリーグのほうですよね。
小飼:そうですね。
山路:メジャーリーグの方ほうはあんまり、もうそういう入り口戦略のことは考えてねえってことなのかな?
小飼:儲かればいい派が多いといえば多いですよね。USAなものというのは。
山路:スーツ着た商売人がやってるみたいな感じが、
小飼:別にアメリカンフットボールというのを世界中に普及させよう、ということもあんましてないですよね。
山路:アメフト。
小飼:そうだね、日本語のアメフトほうが楽だね。そう、だからフットボールって言った場合、米語だとアメリカンのほうを指すけれども、それ以外ではもうサッカーのことを指すので、フットボールなので。足球なので。
ビジネスの世界ではゴルフって重要らしいんですけど、
山路:全然プレイしたことはないですか?
小飼:ごめんなさい、僕はわかんないです、それは。その辺は堀江さんとかのほうがよく知ってそうなので。よく知ってそうな人に聞いてほしいなと思います。
山路:全然ゴルフはしないんでしたっけ?
小飼:親父がゴルフ場の支配人だったんです。これはするわけないでしょ。近づくわけない。まだね、野球のほうは単にテレビのチャンネルを取られちゃうっていう、その程度のことなんだけれども。
山路:もう坊主憎けりゃ袈裟まで憎いみたいな感じで(笑)、
小飼:いや本当に。それはダメだわ。ダメだわ、もう無理。無理だしで、実際にひどいじゃん。要は土地の使い方っていうのを見たとき、日本の土地のコンマ1パーセントぐらいはゴルフ場なんですよ。
山路:え、そんなに?
小飼:そんなに、でしょ。コンマイチって聞いただけだと、あれ、そんだけっていう、
山路:だけど日本は全国の平地なんてわずかなものじゃないですか、
小飼:そうです、日本は7割が森なんですよ。だから、そういう森を無理やりひっぺ返してクマとかを追い出して作ったのが日本のゴルフ場なんです。来る人が減ったっていうんで、結構な部分っていうのをソーラーパネルでも敷いとくか、になってるわけですけども。それでほんのちょいのソーラーパネルが景観に触れたり、ちゃんと土地を造成しなくて台風の時に土砂崩れで一緒に流れたりっていうとそっちのほうが大きくなるけど、じゃあ実際に日本にはゴルフ場とソーラーパネル、どっちが多いですかって言ったら、ゴルフ場のほうが20倍くらいあんだっけ(笑)、
山路:なるほどな、そう聞くとちょっとゴルフやる気なくなってくるな。いや、私はやってないんですけどね。
小飼:あとテニスとかもある。だから、やっぱりゲームがあるスポーツというのはエンターテイメントだし、エンターテイメントというのは独り勝ちを嫌うのよ。独り勝ちを防ぐようなルールをなるべく入れるようにするの。なんだけれども、例えば、放映権という形でドジャースとかジャイアンツとかではなくてNetflixとかESPNが独占しちゃうっていう。だから、そっちのほうの独占というのはあまり気にされなかったの。独占されちゃうとやっぱりそこが廃れる元になる。ゴルフの場合とか、PGAとかどこかに独占されちゃったのかな。
山路:これってそれこそ誰かが、例えばメジャーリーグがWBCをNetflix独占にしたみたいなことに関して文句言って訴えるってことも、十分にあり得ることではある?
小飼:だからあれじゃん、一番報酬をもらってるというのか、もらってた小谷さんが文句言ってたじゃないですか、
山路:大谷さんね(笑)、
小飼:ちゃんと無料でも見られるようにしてくださいと。
山路:Netflixの買収の話に戻すと、FCCの認可とかがやっぱりいるわけじゃないですか。
小飼:そこ、どうなんだろうね。
山路:認可当局はFCCとは限らないってこと?
小飼:配信する権利っていうのはFCCはちゃんと口出せるんだけど、
山路:M&Aとかに関してはまた違う?
小飼:コンテンツの場合は、そのルールが適用されるのか。例えばジブリ作品というのはジブリがどう配信するかしないかっていうのは、最終的な権利は持ってるわけじゃないですか。だから他がどうするって言っても、ジブリが首を縦に振らなければそうはならないわけじゃない、だから日本がおま国になってるわけですよね。
山路:これ、独禁法を判断する当局、この場合だとどこなんだ?
小飼:FCC、ちょっとわかんないな、
山路:ほう。で、しかも仮にその当局が差し止めたとしても、それに関して企業は訴えを起こすこともできるわけですよね。
小飼:もちろん。
山路:妥当性がないっていうんだったら。
小飼:そう、アメリカはもちろんアメリカなので、英米法なので法というのは判例の積み重ねなわけですよ。だから書かれた法があるからつって、それを読んでいけば、論理的にこうなりますというバルカン星人的には動かないわけです、実際に法廷で戦ってみないことにはわからないわけです。
山路:勝ったものがルールになるという、
小飼:そう、勝つことを積み重ねることによってルールになるっていうので。実は日本はそうではなくて、法にきちっと書いてあって、これに照らし合わせればもうこうなるだろう、だからそうならない場合っていうのはもうそれはillogical(非論理的)になるわけですよね。なんだけれども日本でも実際のところはその法をどう解釈するのかっていうのはやっぱり判例があるのとないのでは全然違うので。それは置いておいても、特に民事を法廷で裁いてもらうっていう場合っていうのは、刑事よりもはるかに判例が強いので。
山路:なるほどね。Netflixの買収、本当この先どうなるかまだまだ全然わからない。
小飼:でも、AOLタイム・ワーナーの時ほど、ときめかないという言い方も(笑)、
山路:AOLの時っていうのは、当時からしてみたら、
小飼:デカかったよ、
山路:でもこれ11兆円とかでは、同じぐらいなのか、その時の金額。
小飼:でも今はネット業界そのものがずっと大きいので(笑)、たった11兆円みたいな。
山路:時価総額5兆ドル企業とかあるぐらいですからね。
小飼:そうそうそう。
「ランサムウェアとOS、ブラウザの穴」
山路:じゃあIT絡みで、アサヒグループのランサムウェアの事件。
小飼:そっちのアサヒね。
山路:どっちだと思いました?朝日新聞のほうの?
小飼:いや、ASAHIネット(笑)、それは渋すぎるな。
山路:それは渋すぎるな。大体どういうふうに侵入されたかみたいなことも技術的なところがわかってきたそうなんですけど、
小飼:ファックスのおかげで助かったっていうので、どうなんでしょうね。
山路:どうなんでしょう。これ、いろいろけっこう詳しい情報なんかが日経のクロステックとかなんかにも載ってたりしますけど、
小飼:いや日経、信用できんからな、
山路:(笑)これ、どうです、アサヒのほうの対応っていうのは、そんなにザルだったってわけでもないようにも見えるんだけど。
小飼:そうですね。
山路:ここまでのレベルでできてる企業のほうが少ないんじゃないですかっていう気はしたんだけど。
小飼:まぁでもね、これはお前ら、いい加減Windowsから卒業しろよっていう(笑)、そういう結論になっちゃうよね。
山路:これ、全員使ってるのがMacだったら起こんなかったんですかね?
小飼:そうなったらそうなったで、MacのUIの、結局のところ、この手の事件というのは端末がやられるわけですよね。端末から入力されたものというのをクラウドでも、バックエンドでもなんでもいいんですけれども、要はヒューマンインターフェースが直付けされてないコンピューターというのは、そういうふうに解釈するので。そう、こっちなんですよ、セキュリティリスクというのは。偉い人のがこれにやられちゃうと、そこからやられちゃうわけですね。
山路:ただOSの違いというよりは、その人の用心深さみたいなところにも関わっていくんじゃないですか。特に最近ソーシャルハック的なもんだったりとか。
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